Works実績紹介
【受賞・実用化】岩手・花泉産ひとめぼれを「贈る米」へと再構成したパッケージ
東北経済産業局主催「おいしい東北パッケージデザイン展2015」にて優秀賞(東北農政局長賞)を受賞した、岩手県一関市・花泉産ひとめぼれのオリジナルパッケージです。松勘商店様が培ってきた米への目利きと産地への思いを、観光土産や贈答品として伝わる姿へ再構成しました。弊社のインハウスデザイナーが企画・デザインを手がけ、受賞後は宮城県仙台市の自社工場にて、実用化に向けた構造設計と製造を担当しました。
1. プロジェクトの背景とデザイン
松勘商店様は、地元の米農家や生産者とのつながりを生かし、花泉産米の品質を見極め、販売してきた米穀店です。一方、当時は業務用販売が中心で、そのおいしさや産地の魅力を一般消費者や観光客へ伝えるための「商品の顔」が十分に整っていないことが課題でした。そこで、中尊寺をはじめとする平泉周辺を訪れる国内外の観光客を主な対象に、花泉産ひとめぼれを地域の土産・贈答品として手に取りたくなる商品へと、見せ方から設計しました。デザインでは、同社がお米にかける「志」を、多くを語らず、形と佇まいで表現。手桶を思わせる和の意匠を縦長の手提げ形状に落とし込み、「松勘の米」という力強い文字とマークを正面に配しました。上部の円形部分に指を掛けて持ち運べる構造とし、売り場では小型のPOPのような役割も果たします。さらに、紙色と箔色の組み合わせを変えることで、祝い事や仏事など、異なる用途にも展開しやすいデザインとしています。
2. 製造のポイント
受賞案を実際の包装資材として成立させるため、パッケージプランナーとデザイナーが連携し、宮城県仙台市の自社工場にて構造設計から製造までを一貫して行いました。特徴的な持ち手と縦長のプロポーションを保ちながら、持ち運びに必要な強度、組み立てやすさ、内容量と資材コストのバランスを調整。紙の質感と箔押しによる文字の存在感を生かし、米を上質に贈るための手提げ型パッケージへ仕上げました。
3. 評価とその後の展開
本デザインは、「松勘の米」の力強い文字、品種や用途に応じた色展開、売り場で人目を引く整然とした構成などが評価され、702点の応募作品の中から優秀賞(東北農政局長賞)を受賞しました。審査では、多くの審査員が作品の前で足を止めたことに加え、米を地域の土産やギフトとして販売したいという松勘商店様の構想に応える提案である点も評価されています。受賞後は、持ち手の形状や内容量、コストのバランスを検討し、実際の製造まで行いました。地域の良質な米を、従来の米袋とは異なる売り場と用途へ届けるため、ブランドの見せ方から構造設計、製造までを一貫して形にした実用化事例です。
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