Works実績紹介

茶匠 矢部園「伊達茶」パッケージの構造設計・特殊加工・製造

「伊達茶」パッケージの構造設計・特殊加工・製造 - 画像1
「伊達茶」パッケージの構造設計・特殊加工・製造 - 画像2
Client
茶匠 矢部園
Package planner
荒木賢一朗
Art director
吉川由美(DAHA PLANNING WORK)
Construction designer
稲葉晴彦

クライアントホームページ

【地域ブランド・共同開発】北限の茶に、洒脱な遊び心を。矢部園茶舗「伊達茶」

宮城県石巻市桃生町の鹿島茶園で育てられた、北限の日本茶「伊達茶」のオリジナルパッケージです。生産者とともに宮城県産茶葉の価値を磨き、「伊達茶」ブランドとして育ててきた矢部園茶舗様と、東北の文化をアートの力で支援・プロデュースするDAHA PLANNING WORK様をアートディレクターに迎え、共同で開発しました。題字の揮毫は、現代書家の岡本光平様が担当しています。弊社は、デザインの意図と商品の使いやすさを両立させる構造設計、印刷・表面加工仕様の策定、宮城県仙台市の自社工場での製造を担当しました。

1. プロジェクトの背景と共同開発

「伊達茶」は、宮城県石巻市桃生町の茶畑で育てられた茶葉を、矢部園茶舗様が仕上げた宮城生まれの日本茶です。北上川の川霧や追波湾から吹く潮風、東北の寒暖差の中で育つ茶葉は、ふくよかな香りとまろやかな味わいを備えています。矢部園茶舗様は、生産農家から年間の茶葉を買い支えながら、北限の茶産地とその担い手を次代へつなぐブランドとして「伊達茶」を育ててきました。パッケージ開発では、日本茶が持つ歴史や品格を大切にしながら、格式ばかりを強調するのではなく、暮らしの中で気軽に手に取り、愉しめる佇まいを目指しました。アートディレクションをDAHA PLANNING WORKの吉川由美様、構造設計を弊社の稲葉晴彦が担当。書家・岡本光平様による力強い「伊達茶」の題字を中心に、地域の文化、現代的な感性、包装資材としての機能を一つのパッケージにまとめています。

2. 白と黒を基調とした、静かな遊び心

パッケージは、日本茶の端正な印象を引き立てる白と黒を基調に構成しました。余白の中に岡本光平様の題字を大きく配し、箔押しのきらめきと朱色の落款をさりげないアクセントとして加えています。さらに、表面全体には、宮城県北部に伝わる正月飾りの切り紙「キリコ」をモチーフとした絵柄を、空押しによるデボス加工で施しました。正面から見ると控えめに佇みながら、光にかざしたときや指先で触れたときに、繊細な模様が浮かび上がります。格式を感じさせる題字と、触れて初めて気づく意匠。日本茶らしい品格の中に、気持ちをふっと軽くするような洒脱な遊び心を忍ばせました。

3. 商品を軽やかに見せる構造設計

外装で商品全体を覆うのではなく、内袋の上部をあえて見せる構造を採用しました。パッケージに抜け感を生み出し、伝統的な日本茶に重厚な印象を与えすぎることなく、現代の暮らしにもなじむ軽やかな佇まいに仕上げています。開封後は、内袋の上部を切り取り、外装の一部をクリップとして利用できる仕様です。茶葉を保管するための道具を別に用意することなく、そのまま袋の口を留められる利便性を備えています。弊社では、内袋との寸法調整や保持方法、開封後の使い方まで検討し、意匠性を損なわず安定して量産できる構造と印刷・加工仕様を設計しました。箔押し、空押し、印刷、打ち抜きといった複数の工程を組み合わせ、宮城県仙台市の自社工場で製造しています。地域に受け継がれてきた北限の日本茶を、文化的な背景とともに現代の暮らしへ届けるため、茶舗、アートディレクター、書家、パッケージメーカーが、それぞれの専門性を持ち寄って形にした共同開発事例です。

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